関節リウマチと脳心血管病変
関節リウマチでは心房細動、心筋梗塞、脳卒中などの脳心血管病変の発症リスクが高いことが知られている。下表のごとく、関節リウマチでは、心筋梗塞、脳卒中などの脳心血管病変の発症リスクが1.29-1.96倍増加する。
このリスクは年齢が若いほど高くなる。
また、関節リウマチでは心房細動のリスクが1.42倍増える。
関節リウマチではTNFαが血液中などに増加しているか、このTNFαがインスリンの作用を抑制し、インスリン抵抗性が高まることが脳心血管病変の発症リスク増加の一因と考えられている。
関節リウマチにおける脳心血管病変の危険因子
年齢、CRP高値、RF陽性、喫煙が関節リウマチ患者において、脳心血管病変の危険因子となる→禁煙が推奨される。
薬剤による脳心血管病変発症への影響
TNFα阻害剤、MTXは関節リウマチ患者の心血管病変のリスクを低減させるが、消炎鎮痛剤(NSAIDS)、ステロイドは増加させる。
関節リウマチ、乾癬、乾癬性関節炎おける心血管病変に対するTNFα阻害剤、Methotrexate、NSAIDS、ステロイドの効果(上の図のまとめ)
Ann Rheum Dis 2015;74:480-489.
TNFα阻害剤はインスリン抵抗性を改善させる。
PLOS ONE | DOI:10.1371/journal.pone.0128889 June 25, 2015
HOMA-IR(Homeostasis model assessment of insulin resisitance) =空腹時の血中インスリン濃度(μU/ml)×空腹時血糖値(mg/dl)/405
正常:1.6>、インスリン抵抗性:2.5<
QUICKI (Quantitative insulin sensitivity check index)=1/[log(空腹時血中インスリン濃度(μU/ml) )+log(空腹時血糖(mg/dl) )]
正常:0.348~0.430
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