後藤内科医院、リウマチ科、内科

手足口病と髄膜炎

手足口病と髄膜炎

これは20数年前(2003年)の出来事です。私(この時44歳)は手足口病から髄膜炎を発症してしまったのです。

 

6/20  I病院の当直勤務(昼間も仕事をしていますので32時間勤務となります)。脳出血、脳梗塞、十二指腸潰瘍穿通出血(胃十二指腸動脈からの出血と緊急手術にて判明しました)、腹膜炎等の急患患者が来院され、結構忙しい当直でした。
6/24 初診外来にて手足口病の患者を診察しました。帰宅すると、次女は口内炎多発、手足の水疱を訴えていました。その後、長男、三女にも口内炎多発が見られました。全員、手足口病と考えました。
6/27 私にも手足に有痛性の水疱が出現しました。
6/28 口内炎も多発(おそらく10個以上)しました。

 

   

 

6/30 嘔気、食欲不振、頚部痛が出現しました。夕方首を押さえながら、帰宅しました。頭全体に頭痛が広がってきて、熱は39℃まで上昇しました。頭痛は5秒に1回、あちこちから頭に向かって針を刺されるような激痛でした。モービック(鎮痛剤)、ソロン(胃薬)、デパス内服し就寝しました。
7/1 頭を押さえながらなんとか、勤務先のI病院にたどりつきました。神経内科受診の順番を取り、待っている間に、初診の患者数名を診療しました。神経内科受診:頭部CT、頚椎Ⅹ線に異常なく、髄液検査にて細胞数の上昇を認め、髄膜炎と診断され入院となりました。
8月にも髄膜炎が再発し、再入院となりました。

 

 

手足口病

手足口病は、口腔内の粘膜および手や足などの水疱(水ぶくれ)のような発疹を主症状とした急性ウイルス感染症です。手足口病はコクサッキーウイルスA16(CA16)、A6(CA6)、A10(CA10)、エンテロウイルス71(EV-A71)などのエンテロウイルスが原因ウイルスとして知られています。基本的に予後は良好な疾患ですが、まれに重症化し、髄膜炎、脳炎、神経原性肺水腫、心筋炎を合併することがあります。特にEV-A71は中枢神経系合併症の発生率が他のウイルスより高いことが知られています。

 

疫学

本疾患は5歳位までの幼児(2歳以下が半数)を中心に夏季に流行が見られる疾患です。わが国では、手足口病は感染症法に基づく5類感染症の小児科定点把握疾患に分類されており、定点の医療機関から、臨床診断による患者数が毎週報告されています。手足口病の発生動向は、過去10年において、新型コロナウイルス感染症の流行年を除き、全国の動向としては第20週(5月15日頃)に増加が確認され、第30週(7月23日頃)に定点当たり報告数10.00程度のピークに達した後、第40週(10月6日頃)には1.00程度に低下し、第48~50週(12月)ころにはほぼ終息していました。2024年は第28週(定点当たり報告数13.34、報告数41,885例)と第41週(定点当たり報告数10.78、報告数33,760例)がピークとなる二峰性を呈したことが特徴的でしたが、2025年は例年に比べ低調であり、定点当たり報告数の最大は、第31週の0.63(報告数1,474例)でした。2026年の報告は、例年と同様に第20週から定点当たり報告数0.65(1,477例)と増加しはじめ、第26週時点で4.61(10,396例)と増加傾向です。

 

 

手足口病は、乳幼児が感染しやすいことから、保育園や幼稚園などで流行することがあります。子ども同士は接触することが多いため、集団感染が起こりやすい傾向があります。一般的には、年齢が進むにつれて症状は軽くなる傾向があります。しかし、成人で感染した場合は、皮膚症状が強く表れることもあります。

 

病原体

手足口病の原因はエンテロウイルス(A-Dグループに分類され、100以上の血清型あり)ですが、その年や国によって流行する型が異なります。

 

手足口病に関連するエンテロウイルス(赤字は頻度が多いもの) 文献10】より

 

日本で直近5年間に手足口病患者から分離・検出された各年の主なウイルスは、多い順に、2022年はCA6とCA16、2023年はEV-A71とCA6でした。また、二峰性を呈した2024年は最初のピークでCA6、次のピークでCA16が多く分離・検出され、2025年はE18、EV-A71、2026年は7月1日現在でCA6、EV-A71でした。

 

 

主な感染経路は3つ:
飛沫感染:咳やくしゃみで空気中に飛び散ったウイルスを含む飛沫を吸いこんだり、目や鼻などの粘膜に付着したりすることで感染が広がる
経口(糞口)感染:感染者の咳やくしゃみ、便などで汚染された食べ物が口に入って感染すること
接触感染:水疱内容物に接触したり、水疱のある感染者の手に触れたドアノブなどに接触したりした後、手で口や鼻の周りを触ることによる感染

 

便中へのウイルスの排泄は長期間にわたり、症状が消失した後も2~4週間にわたり感染源になりえます。腸管で増殖したウイルスがウイルス血症を引き起こし、中枢神経系に到達すると、髄膜炎や脳炎などの中枢神経症状を起こす可能性があります。いちど手足口病を発病すると、その血清型のウイルス(たとえばCA-6)に対しての免疫は成立しますが、他の血清型のウイルス(たとえばEV-A71)による手足口病を発症することはありえます。

 

臨床症状

手足口病の潜伏期間は主に2〜10日で、平均3〜5日間です。手足口病の進行は5つの段階(発疹、神経機能障害、初期の心肺不全、心肺不全、回復)に分けられ、ほとんどの場合、第一段階のみを経験し、1週間以内に回復します。第一段階では、口腔粘膜、手掌、足底や足背などの四肢末端に2~3mmの水疱性発疹が出現します。肘や膝、おしりなどにも、水疱性発疹が出ることがあります。

 

口腔粘膜では小潰瘍を形成することもあります。発熱は約1/3に見られますが軽度であり、38℃以下のことがほとんどです。通常は3~7日の経過で水疱性発疹や発熱は軽快し、水疱が痂皮を形成することはありません。

 

稀には幼児を中心とした髄膜炎、小脳失調症、急性弛緩性麻痺、脳炎などの中枢神経系合併症を生ずることもあります。発症して2~3日目以降に発熱がひどくなり、吐き気や頭痛を伴う場合は、中枢神経系合併症を起こしている可能性があります。まれに筋力低下や麻痺を引き起こすことがあります。特に、EV-A71による場合には、中枢神経系合併症に注意する必要があります。

 

近年のアジア地域における重症例の多くは、EV-A71急性脳炎に伴う中枢神経合併症によるものと考えられています。1997年以降、東アジア地域を中心として、多数の死亡例を伴う手足口病流行が断続的に発生しています。1997年、マレーシアでEV-A71株による大規模な手足口病の流行が発生し、41人が死亡しました。翌年、台湾では主にEV-A71による手足口病の症例が10万人報告され、重症例が400件、死亡者が78件でした。2008年から2014年の期間中、中国では合計10,717,283件(3,046人の死亡)が報告され、致死率は0.03%でした。日本では1997年大阪で、EV-A71による手足口病と思われる小児の死亡例が3例報告され、3例ともに急性脳炎と肺水腫が認められました。その後、2000年兵庫県でE71による脳炎死亡例が報告されています。2011年から2012年にかけて、ベトナムで大規模なEV-A71の発生が発生し、20万人以上の入院と207人の死亡が出ました。2012年には、EV-A71感染によりカンボジアでも重度脳炎で少なくとも54人の子どもが死亡しました。

 

予後に関しては、大規模な観察研究では、無症状(12.7%)、軽症(86.2%)、重症(1.1%)、死亡(0.03%)という結果でした。

 

診断

通常は臨床的に診断されます。鑑別診断としては、口腔内水疱についてはヘルパンギーナ、ヘルペスウイルスによる歯肉口内炎、アフタ性口内炎などが挙げられます。手足の発疹に関しては、水痘、ストロフルス、伝染性軟疣腫(水いぼ)などが鑑別の対象となります。

 

病原診断としては、水疱内容物、咽頭拭い液、便、直腸拭い液などからウイルス分離・検出することが重要となります。血清診断は補助的ですが、急性期と回復期の血清で4倍以上の抗体価上昇があれば、手足口病と診断します。

 

治療・予防

特異的な治療法はなく、対症療法が中心となります。抗生物質は無効です。発熱や頭痛、口腔内の水疱の痛みなどに対して解熱・鎮痛剤を用いることがあります。また、脱水に対する治療が必要なこともあります。口腔内病変に対しては、刺激にならないような食べ物を摂取するようにします。予防としては接触予防策および飛沫予防策が重要であり、特に手洗いの励行は重要です。患者あるいは回復者に対しては、特に排便後の手洗いを徹底させます。

 

髄膜炎

髄膜炎とは、脳と脊髄を覆う保護膜である髄膜の炎症です。世界的には毎年250万人が髄膜炎を発症し、20万人以上が死亡しています。髄膜炎は、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫など幅広い病原体によって引き起こされます。

 

髄膜炎に関連する病原体 文献5】より

 

無菌性髄膜炎という用語は、細菌由来でないか、標準的な培養培地では培養できない細菌によって引き起こされる髄膜の炎症を指します。大まかに感染性と非感染性の原因に分けられます。約半数は正確に診断されておらず、その場合は特発性と呼ばれます。無菌性髄膜炎の最も一般的な原因はウイルス、特にエンテロウイルスです。また、真菌(クリプトコッカスなど)、寄生虫(マラリアなど)、スピロヘータ(ライム病や梅毒)によるものもあります。無菌性髄膜炎の非感染性原因には、くも膜下出血、全身性エリテマトーデス/ベーチェット病/シェーグレン病/川崎病などの膠原病や血管炎などが知られています。

 

髄膜炎の症状 文献5】より

 

診断

髄膜炎が疑われる場合、禁忌がない限り、腰椎穿刺は実施すべきです。禁忌となる場合は、頭蓋内圧の上昇、凝固障害(血小板 5万以下、PT-INR > 1.3)、または針を刺す部位の皮膚損傷・感染が含まれます。頭蓋内圧の上昇をチェックするために、眼底検査(乳頭浮腫の有無)、頭部CT検査を事前に行うべきです。

 

エンテロウイルスによる髄膜炎

エンテロウイルスはピコルナウイルス科エンテロウイルス属に属する1本鎖RNAウイルスで、現在116種類の血清型が報告されています。エンテロウイルスには当初、ポリオウイルス、コクサッキーウイルスA(CVA)、コクサッキーウイルスB(CVB)、エコーウイルス(E)、その他のエンテロウイルスに分類されていました。1999年以降、人間に感染するエンテロウイルスは、生物学的、遺伝的、分子的特徴に基づいて4種:エンテロウイルスA~エンテロウイルスD(EVA、EVB、EVC、EVD)に分類されています。一般的に、エンテロウイルスは咳、嘔吐、下痢、めまい、発熱などの軽度の臨床症状を引き起こしますが、重篤な疾患を誘発することもあります。

 

 

特に、エンテロウイルス属の一部は神経栄養性病原体であり、無菌性髄膜炎や脳炎など幅広い臨床疾患を引き起こすことがあります。以前は、最も重度の神経栄養症状を引き起こしたエンテロウイルスは、EVC群に属するポリオウイルス(PV)でした。ポリオウイルスは、世界的なワクチン接種キャンペーンによりほとんどの国で根絶されています。ポリオウイルス以外のエンテロウイルスも中枢神経系に感染し、神経疾患の主な原因となっています。これらのポリオウイルス以外のエンテロウイルスには、EVA(例:EV-A71、CVA6、CVA16)、EVB(例:CVA9、CVB3、CVB5、E11、E30、E7)、EVC(例:CVA24)、EVD(例:EV-D68)が含まれます。

 

エンテロウイルスと中枢神経系疾患

エンテロウイルスはさまざまな経路を介して中枢神経系を侵入し、無菌性髄膜炎、脳炎、急性弛緩性麻痺、急性弛緩性脊髄炎などの重篤な疾患を引き起こすことがあります。急性弛緩性脊髄炎などの麻痺性疾患は、主にEV-D68、EV-A71、EV-C105、EV-C109感染と関連しています。妊婦が一部のエンテロウイルスに感染すると胎児の脳に有害な影響を引き起こすことがあります。

 

エンテロウイルスA-71(EV-A71)

中枢神経系に感染するエンテロウイルスの中で、EV-A71が最も広く研究されています。EV-A71は中枢神経系に侵入し、脳幹脳炎(ミオクローヌス、嘔吐、運動失調、眼振、眼球運動麻痺、自律神経症状)を引き起こすこともあります。EV-A71は主に腸粘膜上皮およびリンパ組織に感染し、そこから逆行性軸索およびシナプス交差輸送を介して中枢神経系に入ります。さらに、EV-A71は直接血液脳関門(中枢神経系を病原体から守るバリア)を横断し、脳の微小血管内皮細胞に感染することがあります。EV-A71はマクロファージに感染して中枢神経系に入ることもあります。

 

エンテロウイルスD-68(EV-D68)

もうひとつ注目すべきエンテロウイルスの血清型はEV-D68です。EV-D68は1962年に肺炎の子どもで初めて発見されましたが、近年では急性弛緩性脊髄炎の症例で急増する喘息様呼吸器疾患との関連で注目されています。急性弛緩性脊髄炎は、弛緩性の突然の四肢筋力低下(臨床的基準)と、MRIなどで認められる脊髄の灰白質病変(画像診断基準)によって定義されるポリオ類似の症候群です。90%の症例は18歳未満の子どもで、5-7歳にピークがあります。患者はしばしば麻痺の症状が現れる約1週間前に呼吸器疾患や発熱性疾患が認められています。初期感染から麻痺の発症までのこの遅れがあるため、急性弛緩性脊髄炎患者の脳脊髄液にウイルスが存在する証拠はまれです。痰を迅速に採取し、EV-D68のPCR検査を行う必要があります。急性死亡は稀ですが、運動機能障害が長期的に残ることが多いと報告されています。

 

エンテロウイルス脳炎

エンテロウイルス脳炎の症状は様々で、一時的な精神状態の変化から持続的な昏睡、死亡まで様々です。局所性脳炎は、影響を受ける脳実質の領域によっては、部分的な運動発作、小脳失調などを引き起こすことがあります。髄液検査所見は髄膜炎の所見(下記参照)とよく似ており、MRIや脳波検査は脳実質の障害を受けた程度を反映します。新生児に脳炎が見られる場合、永久的な神経学的後遺症や死亡をもたらすことが多いです。年長の子どもや大人の転帰は良好で、ほとんどの患者が完全に回復します。無ガンマグロブリン血症、低ガンマグロブリン血症、リツキシマブなどのB細胞免疫抑制薬を含む体液性免疫不全の患者は、治癒が困難な慢性再発性のエンテロウイルス性脳炎を呈することがあります。

 

エンテロウイルス髄膜炎の症状、診断

症状としては、すべての症例で発熱(100%)が見られ、続いて頭痛(89.1%)、嘔吐(85.5%)、髄膜刺激症状(61.8%)が続きました。その他の報告された症状には、下痢(23.6%)、眠気(20.0%)、光恐怖症(20.0%)、発疹(12.7%)、異常な脳波所見(5.5%)が含まれていました。

 


文献7】より

 

エンテロウイルスによる髄膜炎においても、腰椎穿刺は重要な検査です。腰椎穿刺を行い、髄液を採取します。髄液検査では通常、軽度の白血球数の増加(通常<500 WBC/μL、ただし>1000 WBC/μL)を示し、最初の48時間は多核白血球優勢、その後は単核リンパ球優勢に移行します。髄液中の糖の値は通常正常で、タンパク質は正常からやや高め(<100 mg/dL)です。

 

エンテロウイルス髄膜炎、脳炎の疫学

1960年から2025年までのエンテロウイルス関連の脳炎および髄膜炎の集団発生に関する報告によると、集団発生は主に西太平洋とヨーロッパで発生し、北半球では6月から7月、南半球では4月から5月に季節的にピークを迎えていました。学校や医療機関が主な発生現場でした。合計20か国で感染拡大が報告されました。中国が最も多く(18件)、次いで日本(6件)、イスラエル(4件)、スペイン(3件)、イタリア(3件)、アメリカ(3件)、オーストラリア(3件)が続きました。

 


文献7】より

 

エンテロウイルス-B(EVB)が優勢種であり、E30が最も多い血清型でした。

 


文献7】より

 

日本における最近のエンテロウイルスを含む無菌性髄膜炎の原因は下図のごとくです。

 

 

エンテロウイルス髄膜炎の治療、予後

脱水のために輸液療法が必要になることが多く、また、いつも細菌感染症の可能性を念頭に置く必要があるため、通常入院治療が必要です。エンテロウイルスに対する抗ウイルス薬がないため、対症療法が中心となります。エンテロウイルスによる髄膜炎は通常1週間以内に治癒しますが、成人は症状がより重く、長引く傾向があります。また、生後数カ月以内の乳児の場合には、精神発達遅滞の危険因子となることもあるため、その後の経過観察が必要です。

 

抗ウイルス薬は特にEV-A71に対しては、活発な研究が進んでいます。EVカプシド表面を標的とした5種類のEV阻害剤は臨床試験で安全性と有効性が評価されています。

 

ただし、髄膜炎や脳炎が発症した場合、原因がすぐにわかることはほとんどありません。そのため、下記のような対応が英国では推奨されています。

 

抗生物質は通常1時間以内に早期投与し、通常は高用量で投与し、中枢神経系に浸透するようにします。4時間以上の投与開始が遅れると死亡率を高めるという証拠があります。 血液脳関門を通過する抗生物質の点滴が必要です。第3世代のセファロスポリン(例:セフトリアキソンやセフォタキシム)で、肺炎(12時間ごとに2g)治療時よりも高用量(6時間ごとに2g)で投与することが英国合同専門分野ガイドラインで推奨されています。
水痘・帯状疱疹/単純ヘルペス脳炎の疑いがある場合、6時間以内に抗ウイルス治療(アシクロビル 10㎎/㎏ 8時間おき)を開始する必要があります。これは、アシクロビルが単純ヘルペス脳炎の死亡率を>70%から<30%に減少させるという報告があるからです。私も入院中にアシクロビルの点滴を受けました、ただし、ヘルペス髄膜炎の治療において、アシクロビル治療の有効性を示す証拠はありません。

 

細菌性脳炎が疑われる患者に対しては、抗生物質開始から12時間以内に(理想的には最初の抗生物質投与と同時に)、コルチコステロイドの点滴静注が推奨されます。ただし、英国の関節専門医の指針では、起炎菌が判明したら、肺炎球菌性/インフルエンザ菌以外の髄膜炎についてはコルチコステロイドをただちに中止すべきとされています。また、ウイルス性脳炎にはコルチコステロイドは推奨されません。さらに、抗てんかん薬による定期的な予防は推奨されません。

 

エンテロウイルスに対するワクチン

2015年12月3日、中国食品医薬品監督管理局はEV-A71不活化ワクチンを承認しました。中国のEV-A71感染率が高い都市部では不活化EV-A71ワクチンによるワクチン接種が開始され、EV-A71関連手足口病の発症率の劇的な減少が観察されました。2022年タイでもEV-A71ワクチンが承認されました。

 

文献

1】 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト(JIHS) 手足口病
https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/hand-foot-mouth-disease/index.html
https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/hand-foot-mouth-disease/detail/index.html
2】 IDWR 2026年第26号<注目すべき感染症> 手足口病・ヘルパンギーナ 2026年第1~26週(2026年7月1日現在)
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/featured/2026/26/index.html
3】 手足口病由来ウイルス 年別2022~2026年:病原微生物検出情報
https://kansen-levelmap.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data37j.pdf
4】手足口病の子どもと大人の症状|初期症状や登園・出席停止についても解説、2025年7月24日 https://eki-kuri.com/column/hand-foot-and-mouth-disease/
5】Infectious meningitis and encephalitis : A primer for acute care practitioners.
J Intensive Care Soc. 2026;27:377-386.
doi: 10.1177/17511437261437982.
6】Pathogenesis of enterovirus infection in central nervous system. Biosaf Health. 2023;5:233-239.
doi: 10.1016/j.bsheal.2023.06.001.
7】Global epidemiology and pathogen spectrum of enterovirus-associated encephalitis and meningitis outbreaks from 1960 to 2025: A systematic review and meta-analysis. J Infect. 2026;93:106781
doi: 10.1016/j.jinf.2026.106781.
8】Enteroviruses: epidemic potential, challenges and opportunities with vaccines. J Biomed Sci. 2024;31:73
doi: 10.1186/s12929-024-01058-x.
9】 A review of enterovirus-associated hand-foot and mouth disease: preventive strategies and the need for a global enterovirus surveillance network. Pathog Glob Health. 2024;118:538-548.
doi: 10.1080/20477724.2024.2400424.
10】Current status of hand-foot-and-mouth disease. J Biomed Sci. 2023;30:15.
doi: 10.1186/s12929-023-00908-4.
11】Enterovirus and Parechovirus Neurologic Infections in Children: Clinical Presentations and Neuropathogenesis. J Pediatric Infect Dis Soc 2025;14:1–5.
https://doi.org/10.1093/jpids/piae069
12】無菌性髄膜炎患者から分離・検出されたウイルス 2022-2026年:病原微生物検出情報
https://kansen-levelmap.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data36j.pdf

 

<<2026年10月26日作成>>

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