強直性脊椎炎のASAS/EULAR治療勧告
2010国際脊椎関節炎評価学会(Assessment of Spondyloarthritis International Society:ASAS)/ヨーロッパリウマチ(EULAR)学会の強直性脊椎炎治療に対する勧告
① 最善の治療は、薬物療法のみならず、非薬物療法を組み合わせることによって達成される。
② 疾患の臨床評価は、病歴(問診票など)、BASDAIスコアなどの臨床パラメータ、血液・尿検査、画像検査を含めて行う。
③ 非薬物療法の基本は患者教育と規則的な運動であるが、個人で行うよりも指導者のもとで屋外あるいは水中で行う理学療法がより望ましい。
④ COX-2阻害薬を含む非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)は、疼痛やこわばりがあるAS患者への第一選択薬として推奨される。
⑤ 靭帯付着部炎や関節炎が持続する場合は、副腎皮質ステロイドの局所注射を考慮する。ASに対するステロイド全身投与の有用性のエビデンスはない。
⑥ 脊椎炎に対する抗リウマチ薬の有効性のエビデンスはないが、末梢関節炎に対しては、症例によってサラゾスルファピリジンの使用を考慮する。
⑦ 従来の治療を行っても持続的に疾患活動性が高い患者には、TNF阻害薬を使用する。TNF阻害薬以外の生物学的製剤の効果を示すエビデンスはない。
⑧ 股関節の構造的破壊によって強い痛みや機能障害がある場合は、人工股関節全置換術を考慮する。
⑨ 高度の脊柱変形によってADL障害がみられる場合は、脊椎矯正骨切り術を考慮する。AS患者が急性脊椎損傷を生じた場合は、脊椎外科医に相談する。
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