高齢者に見られる関節・筋肉症状について
高齢者によく見られる関節痛、筋肉痛を来たす疾患についてまとめてみました。下図のごとく、加齢とともに、慢性的に腰・膝・足の痛みを訴える患者が増加していきます。
高齢者に見られる関節・筋肉症状について記事一覧
変形性関節症
変形性関節症は、関節軟骨の変性に基づく、非炎症性で進行性の疾患であり、慢性的に経過する。最も頻度が多いのは膝関節で、レントゲン診断での患者数は、日本で約3000万人と推定されている。次に多いのは股関節だが、足、肩、肘、指、手など、その他体中のほとんどの関節にもおこりえる。年齢とともに有病率が上昇す...
高齢者の関節リウマチ
高齢者の関節リウマチの疫学 関節リウマチ患者にうちの70歳以上の高齢者が占める割合が45.4%に達している。 年齢とともにメトトレキサート、生物学的製剤の処方割合が低下し、ステロイドの処方割合が増加している。 生物学的製剤の処方内訳で見ると、年齢とともにTNF阻害薬、IL-6阻害薬の処方割合が低下し...
偽痛風
偽痛風(CPPD結晶沈着症)はピロリン酸カルシウム(calcium pyrophosphate dehydrate :CPPD)の結晶が関節腔内に沈着し、その結晶に対して炎症反応を起こす疾患である。比較的高齢者の単関節炎(ときに多関節炎)・発熱・炎症反応上昇を見たときは本疾患を疑うべきである。痛風...
日本整形学会で推奨されている変形性膝関節症の治療法
変形性膝関節症の管理に関するOARSI 勧告(日本整形外科学会変形性膝関節症診療ガイドライン策定委員会による適合化版:2012年)A 行うように強く推奨する B 行うよう推奨する C 行うことを考慮してよい D 推奨しない I 委員会の設定した基準を満たすエビデンスがない.あるいは複数のエ...
リウマチ性多発筋痛症
リウマチ性多発筋痛症(polymyalgia rheumatica:PMR)は頸部、肩、腰部、大腿など四肢近位部の痛みやこわばりを生じる原因不明の炎症性疾患である。1988年Bruceによって最初に報告された。secondary fibrositis, periarthrosis humerosc...
RS3PE症候群
Remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema (RS3PE:R=remitting, S3=seronegative, symmetrical, synovitis, PE=pitting edema) は突然発症す...
リウマチ性腫瘍随伴症候群
腫瘍随伴症候群は、がんなどの悪性新生物の存在下で認められるさまざまな症状で、腫瘍自体またはその転移に直接的に関連しないものを指す。悪性新生物と腫瘍随伴症候群との間の因果関係は、腫瘍に対し、外科療法、放射線療法、化学療法などを行って、腫瘍の消失・縮小が認められると、腫瘍随伴症候群も改善するという事実...