強皮症
強皮症は皮膚や内臓の諸臓器がだんだんと硬くなる原因不明の疾患で、膠原病のひとつである。皮膚の病気である限局性強皮症(モルフェア)と区別するため、全身性強皮症、あるいは、全身性硬化症と呼ばれることもある。内科的に「強皮症」と言う場合は「全身性強皮症(又は全身性硬化症)」をさす。初期には関節リウマチと診断されることもある。病態としては、血管障害、自己免疫異常、線維化が特徴的である。
強皮症の疫学
男女比 女性に多い(男:女=1:9~12)
発症年齢 30~50歳
推定患者数 全国で2万人以上
強皮症の分類
限局皮膚硬化型全身性強皮症 (Limited cutaneous systemic sclerosis : lcSSc)
皮膚硬化が肘より指先、膝より足先にとどまる
びまん皮膚硬化型全身性強皮症 (Diffuse cutaneous systemic sclerosis : dcSSc)
皮膚硬化が肘より肩、胸、顔面、膝より腰、腹部まで広範囲に及ぶ
強皮症における抗核抗体
1)強皮症では90%以上で抗核抗体が検出される。
2)複数の疾患特異的自己抗体が存在する。抗セントロメア抗体、抗Scl-70抗体など
3)同時に複数の疾患特異的自己抗体が出現することはきわめてまれ。
4)疾患特異的自己抗体は一度出現すると経過中は常に陽性となり、他の自己抗体に変化することはない。
5)それぞれの疾患特異的自己抗体は特徴的な臨床症状と相関する。
強皮症の皮膚症状
浮腫期→硬化期→萎縮期と推移していく。
1)レイノー現象:寒さや精神的緊張がきっかけとなり、手や足の指が白くなり、ついで紫色、紅赤色に変わる症状
2)皮膚硬化、指の腫脹、こわばり
3)皮膚潰瘍
4)指先の虫食い状の瘢痕
5)指先のやせ
6)皮膚の血管拡張
7)皮膚の乾燥、かゆみ
8)皮膚の石灰化
強皮症の皮膚症状の治療
強皮症の内臓病変
強皮症:日常生活上の注意点
1)禁煙
2)手足の保温
3)過労を避ける
4)傷が治りにくいので、小さな傷でもきちんと手当をする
5)食べた後、すぐに横にならない
6)カフェイン含有飲料、脂肪分の多い食事やチョコレート等の甘いもの,アルコールの摂取を控える
7)少量を頻回に摂取する食事形態とする
強皮症記事一覧
強皮症の内臓病変
強皮症の内臓病変1)食道病変(逆流性食道炎、胸やけ、嚥下困難)2)胃腸病変(下痢、便秘)3)肺線維症(咳、息切れ)4)関節痛5)腎病変(高血圧)6)心病変(不整脈)強皮症の消化器病変 食道:食道の機能が低下し、胃酸が逆流する(逆流性食道炎)。食道造影検査では下部食道はが拡張し、大根状の先細り陰影を見...