痛みの記憶
痛みはどのようにして学習・記憶され、慢性痛へとなるかについて説明します。ただし、慢性痛となる発症機序がすべてわかっているわけではありません。
痛みの学習
侵害刺激によって引き起こされる屈曲反射は生まれながらに備わった防御反応である。
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侵害刺激を受容すること(侵害受容)によって経験した痛みは身体を守るのに役立つ。
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すなわち、「痛み」という意識は学習によって獲得していくものである。
痛みは記憶される
本来、神経系はゴムマリのように刺激が去ると元の状態に戻りますが、痛み刺激によっては、元に戻らないことがあります。これを神経系の可塑性と呼びます。
痛みの脳への記憶(中枢性感作)はどのようにして起こるのか
新たな解剖学的ルートの出現:発芽
帯状疱疹ウイルスによって、痛覚神経が障害を受けると、触覚神経が脊髄において発芽し、痛覚層に至ります。そうすると、触ったという感覚が痛覚として脳に伝えられることになります。(触っただけで痛い)
グリア細胞の活性化
グリア細胞により、神経系の混線を起こすことが報告されています。