強皮症の内臓病変について説明します。
強皮症の内臓病変

強皮症の内臓病変


強皮症の内臓病変

強皮症の内臓病変

強皮症の内臓病変

1)食道病変(逆流性食道炎、胸やけ、嚥下困難)
2)胃腸病変(下痢、便秘)
3)肺線維症(咳、息切れ)
4)関節痛
5)腎病変(高血圧)
6)心病変(不整脈)

強皮症の消化器病変

 食道:食道の機能が低下し、胃酸が逆流する(逆流性食道炎)。食道造影検査では下部食道はが拡張し、大根状の先細り陰影を見る。


強皮症の消化器病変の治療

1)嚥下障害,逆流性食道炎,腹部膨満,偽性腸閉塞などの消化管蠕動運動低下症状に胃腸機能調整薬(メトクロプラミド(商品名 プリンペラン),ドンペリドン(商品名 ナウゼリン),クエン酸モサプリド(商品名 ガスモチン),六君子湯など)を考慮しても良い.(推奨度:B)
2)胃食道逆流症にプロトンポンプ阻害薬(オメプラゾールなど)は有用(推奨度:A)
3)腸内細菌叢異常増殖に抗菌薬は有用(推奨度:B)
4)小腸・大腸の蠕動運動低下に胃腸機能調整薬,大建中湯,パントテン酸、副交感神経作用薬は有用(推奨度:C1)
5)できれば、消化器系の手術は避けるべき(推奨度:C2 )




強皮症の間質性肺病変

1)間質性肺病変は強皮症の52~75%にみられる.dcSSc および抗トポイソメラーゼI(Scl-70)抗体陽性の強皮症では間質性肺病変合併の頻度が高い.
2)早期の間質性肺病変検出のためには,胸部X線のみではなく,胸部CT検査をする必要あり.
3)KL-6, SP-Dなどの血液検査が間質性肺病変の進行を予測する血清学的指標となる.
4)66%の症例では間質性肺病変はあまり進行しない.


強皮症の間質性肺病変の治療



強皮症の肺高血圧症

1)1996 年の報告では,肺高血圧症を有する強皮症の1年生存率は50%,3 年生存率は20% 以下ときわめて予後不良であった.
2)lcSSc,抗セントロメア抗体,抗U1RNP 抗体が肺高血圧症のリスク因子となるが,すべての強皮症患者で年1回の定期的なスクリーニングが推奨される.
3)スクリーニング検査として,心エコー,肺機能検査,血中脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)が有用である.
4)肺高血圧に関与する因子としては,エンドセリン,一酸化窒素,プロスタノイドがあげられる.

強皮症の肺高血圧症の治療



強皮症の腎病変

1)突然の悪性高血圧(悪心、頭痛、嘔吐、視力障害、痙攣)の出現、急速な腎機能障害にて発症する。ただし、ステロイド投与中には血圧が上昇しないことがある。
2)ステロイド(プレドニゾロン 15mg以上)、シクロスポリン、タクロリムス等投与中の強皮症患者では、発症リスクが高くなる。
3)強皮症腎は日本人の強皮症患者の4~5%に認められるのみであるが、生命予後に関与する
4)抗RNAポリメラーゼIII抗体陽性患者では強皮症腎を発症しやすい。
5)ACE阻害薬(カプトプリル、エナラプリルなど)は強皮症腎の治療に有用である(推奨度:B)。

強皮症の内臓病変

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