喘息の吸入療法について説明します。
吸入療法について

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 吸入薬には、ボンベ内の薬剤を噴射させて吸入するエアゾールタイプ(pMDI)と粉末の薬剤を勢いよく吸い込むドライパウダータイプ(DPI)があります。

 シムビコート、アドエアはともに商品名です。





吸入療法で口腔咽頭の副作用をおこしにくくするコツ

 1)食前の吸入
 2)サンドウィッチうがい:吸入前と後でうがいをする

シムビコートでSMART療法が可能なのに、他のICS/LABAではうまくいかない理由
 シムビコートに含まれるLABA(長時間作用性のβ2刺激薬)であるホルモテロールはSABA(短時間作用性のβ2刺激薬)と同じように、5分で気管支を拡張させる作用があります。さらに、シムビコートに含まれるICS(吸入ステロイド薬)であるブデゾニドは親水性があるため、痰の中に入り込みやすいと考えられます。

以下、放生先生の論文を引用させていただきます。
2種類のICS/LABA配合剤を比較検討した研究

 salmeterol/fluticasone (SFC:アドエア)と budesonide/formoterol(BUD/FM:シムビコート)

 103名のSFC(アドエア250)で治療中の中等度の喘息患者に内、39名はSFCを継続し(control group)、残りの64名はBUD/FM(シムビコート)に変更しました。最初の8週間(phase 1)BUD/FMで治療した患者の内、38名はBUD/FMを継続しました(BUD/FM group)が、26名はSFCに戻りました(SFC group)。その後、52週間経過観察しました(phase 2)。

 phase 1ではBUD/FM group、SFC groupともに呼気NO濃度、ACTが改善しましたが、phase 2ではBUD/FM groupがSFC groupに比べ、有意に呼気NO濃度の低値、ACTの高値が維持されました。


GINA step 3や4といった中等度以上の喘息患者において、吸入薬の減薬ができるかどうかを調べた研究

 一定の基準を満たした患者において、BUD/FM(シムビコート)を1日4吸入から2吸入に減らしても、ACTの値や発作によるSABAの使用回数は変化はありませんでした。このことから、BUD/FMでコントロール良好となり3-6ヶ月経過したら、吸入薬の減薬は可能と報告していました。




吸入療法については下記も参照してください。
喘息・COPDの吸入療法における患者教育の動向 日本内科学会雑誌 104:2220~2227,2015
吸入のABC 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 2015年 第25巻 第1 号 47- 52
すこやかライフ No.41  環境再生保全機構パンフレット
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